突発性難聴の鍼灸治療
突発性難聴とは突然聴力が低下する病気です。原因不明でうまく音を拾えない難聴です。中耳ではなく内耳で何らかの障害が起きていることが考えられると言われております。
突発性難聴が起こる理由とは?
1、ウィルスが原因で中耳の障害を引き起こしている。
2、内耳の血液循環が悪くなっているために突発性難聴が引き起こされる。
この2つの理由が考えられています。
どういう時に突発性難聴が起こりやすいのか?
非常に体が疲れた時やストレスが溜まった時に発症しやすいと言われております。
突発性難聴に罹患した場合、いち早く医師の診断と治療を受けることをお勧めいたします。
それと同時に出来るだけ早く鍼灸治療を始める事をお勧めします。鍼灸治療は突発性難聴に効果があり、早く治療を始めれば、完治する可能性が高くなるからです。突発性難聴発症後1ヵ月以内に鍼灸治療を始めることをお勧めいたします。
鍼灸でどの様に突発性難聴を治療するのか?
鍼灸治療では、まず脈診や腹診によって体のバランスを整える経絡治療を行います。それから突発性難聴を訴える方のほとんどは首の筋肉が凝っていて、側頭部がむくんでいます。側頭部の浮腫は顔の太陽穴まで続いている場合も多いので、太陽穴に鍼を打つことも重要です。
突発性難聴を訴えるお客様の首の状態をよく観察すると、頸部リンパが走行するあたりに極めて強い硬結を確認する事ができます。これらの硬結を鍼によって和らげることも重要なことだと考えております。頸部リンパがこれだけ張っていると言う事は、突発性難聴の原因としてウィルス説が浮上するのも否定できないと、私は考えております。
それから後頸部の凝りや、耳の近くにある側頭部のむくみを鍼灸で改善します。
特に重要なツボは、後頭部にある天柱風池、天ゆう、翳風(えいふう)穴です。側頭部のツボは懸釐(けんり)や率谷(そっこく)などが必要です。
この辺のツボの周辺の筋肉を柔らかくすることにより中耳の血液循環や水分代謝が改善されるものと思われます。
それから東洋医学では耳の周りを三焦経や、胆経、小腸経の経絡が走行しております。耳の疾患を訴える方の多くが前腕の三焦経が非常に凝っています。
そして耳の症状が治まるとそれらの経絡が流れている筋肉が緩んでくるのです。突発性難聴を訴える方の多くも、前腕にある三焦経が凝っている場合が多いです。その場合、三焦経を触察し、最も硬結のある場所に鍼を打つことが重要です。
また下腿の胆経を走行する筋肉も凝っている場合が多いですので胆経の硬結を探し出してその部位に針を打つことも重要です。
さらに突発性難聴を訴える方の多くはストレスを抱えております。ストレスによって自律神経のバランスが乱れている可能性があります。ですから耳だけではなく体のバランスが崩れ、耳の状態が悪くなっていることも考えられますから、自律神経のバランスを改善する鍼灸治療も必要です。ストレスを緩和するツボは百会や印堂、郄門(げきもん)等です。また背部の筋肉の凝りを改善する事も重要です。
いち早く突発性難聴を改善するにはどうしたらいいか?
鍼灸治療とともに突発性難聴の症状を早く改善させる方法があります。
奇形治療です。当治療院での奇経治療は、手足のツボに金属を貼って症状を改善させる治療法です。
突発性難聴の場合、奇経八脈の中の陽維脈が非常に効果が高いです。主穴が外関で従穴が足臨泣になります。教科書通りのツボではなくて教科書にあるツボの周辺の一番硬結がある場所を見つけることが重要です。この硬結を見つけるには、長年の経験が必要です。正確なポイントに金属を貼る事が重要です。