自律神経失調症で悩んでいる方の中には、栄養不足による栄養障害を伴っている方がいます。 今回は「セロトニン、ビタミンC、ビタミンＢ、ミネラル」これらの重要性や食べるべき食材をご紹介します。

ストレスを緩和するには脳内のセロトニンが重要な働きをします。セロトニンが不足すると自律神経のバランスが崩れたときに起こりやすい不安感やうつ的な症状が出やすくなります。

セロトニンを合成するための原料は、トリプトファンですので、リラックスするために、トリプトファンを食事から摂ることも重要です。

バナナ(100g)

• 290㎎

朝に食べると効果的

ナッツ類(100g)

• カシューナッツ（360㎎）
• ピスタチオ（270㎎）
• ピーナッツ（270㎎）
• アーモンド（200㎎）
• クルミ（200㎎）

乳製品(100g)

• 牛乳（45㎎）
• ヨーグルト（60㎎）
• プロセスチーズ（300㎎）
• 脱脂粉乳（470㎎）
• ガゼイン（1100mg）

大豆製品(100g)

• 木綿豆腐（98㎎）
• 豆乳（53㎎）
• 氷り豆腐（750㎎）
• きな粉（510㎎）
• 醤油（18㎎）
• 味噌（140㎎）

赤身魚(100g)

• マグロ（270㎎）
• カツオ（310㎎）
• ツナ缶（210㎎）
• かつお節（950㎎）

生食で、刺身などが効率的

赤身肉(100g)

• 豚ヒレ（290㎎）
• 牛ランプ（280㎎）
• 豚ロース（280㎎）
• 豚もも肉（280㎎）

焼く、茹でる、揚げるなどして食べると効果的

レバー(100g)

• 牛レバー（290㎎）
• 豚レバー（290㎎）
• 鶏レバー（270㎎）

焼いて食べると効果的

鶏肉(100g)

• 鶏むね肉（290㎎）
• 鶏もも肉（280㎎）

焼き鳥、蒸し鶏、唐揚げの順番で食べると効果的

卵(100g)

• 全卵（190㎎）
• 水煮（160㎎）

同じトリプトファンを含む食べ物と組み合わせると効果的

そば(100g)

• 生そば（120㎎）
• 生そば茹で（60㎎）
• 乾そば（170㎎）
• 乾そば茹で（59㎎）

また、アボカドやトマトなどもセロトニンが含まれています。

次に長い間ストレスを感じて自律神経のバランスを崩している人にお勧めなのは、ビタミンCです。

ストレスを受けると副腎皮質ホルモンが体の中で分泌されます。副腎皮質ホルモンは抗ストレスホルモンと言われています。すなわちストレスを緩和してくれるホルモンなのです。

副腎皮質ホルモンの合成を助けるにはビタミンCが必要になりますので.ストレスを緩和するにはビタミンCを含んだ食品を食べることが重要です。

以前ビタミン学会に所属していた時にビタミンを研究している先生が講義をしてくださったのですが、ビタミンCの血中濃度は午前中に急激に減少すると言っていました。おそらく朝精神的活動が活発になるのでストレスホルモンである副腎皮質ホルモンの分泌が多くなり、ビタミンCも体の中で多く消費されるからなのでしょう。

昔から朝果物を食べたほうが良いと言われていますが、これは理にかなったことだと思います。

またビタミンCは免疫力を高める作用もありますので朝は果物を取ることがをお勧めします。

さらにビタミンＢの不足により神経の伝達物質が正常に働かなくなるために、精神的な不安を引き起こすことが考えられています。特にビタミンB2とＢ6は精神を安定させるために必要なビタミンです。

ビタミンB2は納豆や卵などに多く含まれています。ビタミンB6はレバーやかつお、マグロなどに多く含まれている食材です。

また、先ほど紹介した「トリプトファン」を「セロトニン」に合成するにはビタミンＢ6が必要であると言われていますので、ビタミンＢ6を積極的に摂取するようにしましょう

しかしビタミンを研究している先生の話によりますとビタミンはお互いに協力しあって作用を発揮すると言われています。

ですからまんべんなくビタミンを取ることが重要です。

また健康な体を維持するにはビタミンだけではなく、ミネラルも必要です。特にマグネシウムは体の中の様々な酵素を活性化する作用がありますし神経情報の伝達を行いますので、マグネシウムが不足すると神経過敏や抑うつ感が生じることがあります。

また不整脈や筋肉の痙攣などを引き起こす場合がありますのでミネラルの摂取も大切です。

マグネシウムは玄米やひじきほうれん草アーモンドなどに多く含まれていると言われています。

サプリメントで摂取するとしたらマルチビタミンマルチミネラルをお勧めします

自律神経のバランスを取るためにGABAを摂取する。

GABAとは、ガンマアミノ酪酸と呼ばれています。ストレスや不安などを感じたときに交感神経が分泌されます。その際交感神経の働きを抑制する作用がGABAにはあります。ですからストレスを感じたときに摂取したい物質です。

さらにGABAは血圧を下げてくれたり睡眠の質を高めてくれる作用があると言われておりますので、自律神経失調症でお悩みの方は、積極的にGABAを摂取する必要があると思います。

GABAが多く含まれている食材は発芽玄米やトマト、茄子などです。

以上説明しましたように自律神経のバランスを整えて精神をリラックスするためには食事が重要であるということがお分かりになったと思います。

ご飯やパン、カップラーメンや麺類に傾いた食生活を行っていると、自律神経のバランスを崩しやすくなって不安や不眠イライラなどが現れやすくなりますので、上記に説明したような食材を取ったりマルチビタミンマルチミネラルなどのサプリメントを摂取することが自律神経のバランスを整える意味で非常に重要であると思います。

鍼灸治療と食事の改善により自律神経のバランスを整え快適な毎日を送りましょう。