当治療院は予約制です。事前にご予約の上、ご来院ください。

顔面神経麻痺後の「音が大きく聞こえる」原因|アブミ骨筋の働きと対処法

顔面神経麻痺の後遺症として、音が「響いて」聞こえる、いつもより「大きく」感じる。こうしたお悩みを訴える方がいらっしゃいます。これは、耳の奥で音の強さを自動的に調節しているアブミ骨筋(あぶみこつきん)が関わっています。アブミ骨筋は、強い音が内耳(蝸牛)に伝わりすぎないように、アブミ骨の動きを抑えて衝撃を和らげる役割を担っているのです。このアブミ骨筋は顔面神経の支配です。ですから、顔面神経麻痺に罹患してアブミ骨筋がうまく働かなくなると、音の調節が利かなくなり、音が過度に大きく、あるいは「キンキン響く」ように感じられることがあります(医学的には聴覚過敏/ハイパーアクーシスと呼ばれています)。

以前、当治療院に来院されたお客様も、音がとても響いてつらいとおっしゃっていました。私が施術を終え、鍼皿に鍼を置くわずかな音でさえ大きく響いて感じられるとおっしゃるのです。日常生活にも大きな負担になる症状だと改めて実感しました。その際は奇経治療で対応しましたが、施術後にそのお客様は「以前よりも音が大きく響かなくなってきた気がします」とお話しくださいました。(感じ方には個人差があります。) その後、少しずつ表情にも笑顔が増え、私もほっといたしました。