当治療院は予約制です。事前にご予約の上、ご来院ください。

池袋の鍼灸院エル治療院が不安感」と「呼吸」の関係を解説


誰にでも起こる「不安感」

「理由はないけれど不安になる」「夜になると心がざわつく」「息苦しく感じる」

そんな不安感を感じることは、誰にでもあります。

一時的な不安は人間の自然な反応ですが、

長く続いたり、体に症状が出てくる場合は、自律神経のバランスが関係していることがあります。


不安感と関係の深い代表的な疾患・状態

「不安感」は単独で現れることもありますが、次のような疾患や体調変化に伴って感じることも少なくありません。

不安感を伴う主な病気・状態

自律神経失調症
交感神経が過剰に働き、心拍数や呼吸数が増えることで不安感が強まる。

パニック症(パニック発作)
呼吸が浅くなり、息苦しさや動悸、めまいを伴う。

更年期障害
ホルモン変化により、自律神経が不安定になり不安感や焦燥感が出やすい。

甲状腺機能異常(特に亢進症)
代謝が過剰になり、心拍が速くなり、不安感が増す。

これらは医学的に診断・治療が必要な場合もあります。

不安感が強く、長く続く場合は、まず医療機関での検査を受けることが大切です。


不安と「呼吸」の深い関係

不安を感じているとき、多くの人が無意識に呼吸が浅くなっています。

浅い呼吸は酸素と二酸化炭素のバランスを崩し、脳が「危険」と誤認して、さらに交感神経を刺激します。

つまり、

不安 → 呼吸が浅くなる → 交感神経が高まる → さらに不安

という“ループ”が起こります。

このとき、意識的にゆっくり呼吸を整えることで、副交感神経(リラックスを司る神経)が働き、心と体が落ち着いていきます。


呼吸を整えることで期待できる変化(一般的傾向)

深い呼吸を意識することで、

以下のような変化を感じる方が多くいらっしゃいます。

  • 心拍が落ち着く
  • 頭の中の焦りがやわらぐ
  • 手足の冷えが減る
  • 胸の圧迫感が軽くなる
  • 夜眠りやすくなる

呼吸により自律神経の働きがバランスを取り戻す自然な反応と考えられています。

首こりと不安感の関係について

首や背中の筋肉が強くこわばると、呼吸が浅くなりやすく、その結果として不安感や息苦しさを感じる方もいらっしゃいます。その理由として首や背中の筋肉は呼吸を補助する筋肉です。これらの筋肉がこわばってくると、呼吸を補助することが、難しくなってしまいます。

こうした場合、西洋医学的な治療を受けてもなかなか変化が感じられにくいこともあります。

当院では、解剖学的な視点と東洋医学の考え方を組み合わせ、「呼吸を整える」鍼施術を行っています。

一つは、首や背中の筋肉(呼吸補助筋)をゆるめる鍼です。首や背中の筋肉が柔軟になることで、呼吸がスムーズに行いやすくなります。

もう一つは、横隔膜周囲へのアプローチです。

横隔膜は呼吸の中心的な働きを担うため、この部分の緊張をゆるめることで、呼吸のリズムが整いやすくなります。この二つの施術を組み合わせることで、呼吸を深く整えることを目指し、不安感や緊張感の緩和をサポートいたします。


当院にご来院された方の一例

初回のご来院では、長期間にわたり不眠や不安感を感じていました。不安感は、特に朝、強く感じるとのことです。「心身の緊張をゆるめたい」との目的でご相談くださいました。まず経絡のバランスを整える施術を行い、その後、呼吸を整えるための鍼の施術を行いました。

2回目のご来院時には、「朝の不安感がやわらいできた気がする」とお話しされ、施術を継続することで、より安定した日々をすごされています。

(効果の感じ方には個人差があり、体調や生活習慣によっても異なります)

 当院では、一人ひとりの状態を丁寧にうかがい、無理のない施術計画をご提案しています。

東洋医学からみた「不安感」

東洋医学では、「心」「腎」「肝」の働きと密接に関係すると考えます。

  • 心(しん):精神活動の中心。過剰なストレスで乱れると動悸・不眠・焦燥に。
  • 腎(じん):生命エネルギーを蓄える。虚すると不安や恐れが強くなる。
  • 肝(かん):気の流れを調える。滞るとイライラや胸のつかえ感が出やすい。

まとめ:不安を感じたら「呼吸」を意識してみる

不安感は心だけの問題ではなく、神経・ホルモン・呼吸・血流など、体のあらゆる働きと深く関係しています。深呼吸や鍼灸・ストレッチなど、自分のリズムを取り戻す時間を少しずつ持つことで、心の波も穏やかになっていくお客様が多く見られます。