柳原40点法とは?顔面神経麻痺の回復を評価する大切な指標とは?
顔面神経麻痺の治療を行う際、どの程度症状が回復しているのかを客観的に判断することはとても大切です。その際に日本で広く使われているのが「柳原40点法」と呼ばれる評価法です。この評価法が日本で一般的に使われていると言われています。ですから、顔面神経麻痺に罹患し、病院の診察を受けてスコアが10点や20点と言われた時、それは柳原40点法の点数であると考えられます。「柳原40点法」のスコアが上がれば顔面神経麻痺が回復していると実感できますから、治療の希望を持てると思います。
柳原40点法とは?
柳原40点法は、顔面神経麻痺の回復度を数値で評価する方法です。
1976年に日本の柳原尚明医師によって提唱され、現在では多くの医療機関で使われています。
顔面神経麻痺は、顔の片側の筋肉が動かしにくくなる病気で、症状の程度や回復具合は人によって異なります。
そこで、治療の経過をわかりやすく数値化し、「どの程度改善しているのか」を医師や患者が共有できるようにしたのが柳原法です。
軽い閉眼
強い閉眼
片目つぶり
鼻翼(びよく)を動かす
頬をふくらます
口笛を吹く
「イー」と歯を見せる
口を「への字」にまげる
これらは顔面神経の分枝に対応する運動を個別にチェックできるよう設計されています。
点数の見方と活用の目的
柳原40点法は経過観察(初診→治療中→回復期)で変化を追いやすく、重症度や予後の目安としても用いられます。臨床研究でも、柳原スコアに基づいて回復率を解析した報告があります。
他の評価法との違い
顔面麻痺の評価にはHouse–Brackmann法(顔全体を総合的に段階評価)やSunnybrook法(後遺症の評価に比重)などもあります。柳原40点法は部位別(regional)に細かく採点できる点が特徴です。
評価時の注意
同じ条件で(座位/照明/説明の仕方)評価する
左右を必ず比較する
顔面神経麻痺の回復をより正確に見るために
顔面神経麻痺の回復度を評価する際に、柳原40点法は臨床現場で広く活用されています。
表情筋の動きや麻痺の程度を客観的に評価できる優れた方法ですが、臨床の中で実際に多くの顔面神経麻痺の症例を施術した中で、筆者は「まばたき(上眼瞼の動き)」の観察も非常に重要であると感じています。
まばたきの動きが示す「回復のサイン」
顔面神経麻痺の患者様の中には、口の動きや頬の動きが回復しても、まばたきの動きに左右差が残る方がいらっしゃいます。まばたきの改善度を観察することで、より細やかな回復の経過を把握できるのではないかと筆者は考えています。
最近ではスマートフォンのカメラ機能が高性能になり、iPhoneのスローモーション撮影を使えば、患者様ご自身でも簡単に上眼瞼の動きを確認できます。
健側(健康な側)の上眼瞼が下眼瞼に届いたとき、患側(麻痺側)の上眼瞼がどの位置にあるかを比較することで、瞬きの改善状態を可視化することができる可能性があると推察されます。
患者様自身の「気づき」につながる観察法
実際に当治療院でも、患者様が動画でご自身のまばたきを確認し、「以前よりも、まばたきができるようになった」と実感されるケースがありました。しかし、柳原40点法での評価では数点しか変化が見られず、患者様が少し落胆されることもあります。このような経験からも、まばたきの動きを評価項目に加えることの意義を感じています。
柳原40点法に「瞬き評価」を加える意義
柳原40点法は非常に優れた評価法ですが、もし「まばたき」という要素を加えることができれば、より実際的で患者様の実感に近い評価が可能になるのではないでしょうか。これはあくまで私自身の臨床経験からの提案ですが、今後の評価法の発展において一つの参考になれば幸いです。柳原40点方のスコアが改善すると、患者様は喜んでくださいます。ですから治療の励みになると思います。そのような視点から考えても、やはり柳原40点法は、有意義な評価法であると思います。







