顔面神経麻痺になると、顔が動かしにくくなるだけではなく、
- 耳の奥や耳の周囲が痛む
- 音が大きく響いて聞こえる
- 耳に違和感を感じる
- 耳鳴り
- 難聴
- 耳閉塞感
など、耳に関連する症状が現れることがあります。

「顔の神経が麻痺しているのに、なぜ耳の症状まで出るのだろう?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
その理由を理解するためには、顔面神経がどこを走行しているのかを知ることが重要です。
顔面神経と内耳神経は近接して走行している
顔面神経は、第7脳神経と呼ばれる神経です。
脳幹から出た顔面神経は、聴覚や平衡感覚に関係する第8脳神経である前庭蝸牛神経(内耳神経)とともに、側頭骨にある「内耳道」という狭い通路へ入ります。
内耳道の中では、顔面神経と前庭蝸牛神経は非常に近い位置を走行しています。
その後、顔面神経は側頭骨の中にある顔面神経管という細い骨のトンネルを通り、中耳や内耳に近い場所を走行していきます。
つまり顔面神経は、解剖学的にも耳と非常に深い位置関係にある神経なのです。

なぜ音が大きく響いて聞こえるのか?
顔面神経からは、その走行途中でアブミ骨筋神経という枝が分かれます。
アブミ骨筋は中耳にある非常に小さな筋肉で、耳小骨の動きを調節する役割があります。
顔面神経麻痺によってアブミ骨筋の働きが低下すると、音の振動を十分に調節できなくなり、通常よりも音が大きく響いて聞こえることがあります。
この状態は聴覚過敏と呼ばれます。
患者さんによっては、
「テレビの音が以前より大きく感じる」
「食器のぶつかる音が耳に響く」
「子どもの声が非常に大きく感じる」
などの症状を訴えることがあります。
顔面神経麻痺では耳の痛みが現れることもある
顔面神経麻痺では、麻痺が現れる前後に、耳の奥や耳の後ろに痛みを感じることがあります。
また、顔面神経麻痺を引き起こす疾患の一つであるラムゼイ・ハント症候群では、顔面神経麻痺とともに、耳の強い痛みや耳介の水疱・発疹などが現れることがあります。
そのため、顔面神経麻痺を発症した際には、顔の動きだけではなく、耳の痛みや違和感などの症状についても確認することが重要です。
顔面神経の走行を理解することが大切です
顔面神経は、脳幹から出たあと内耳神経とともに内耳道へ入り、その後、側頭骨内部の顔面神経管を通って顔面へ向かいます。
このように、顔面神経は耳の近くを長い距離にわたって走行する神経です。
そのため、顔面神経麻痺では顔の筋肉の動きだけではなく、耳の周囲にもさまざまな症状が現れることがあります。
顔面神経の解剖学的な走行を知ることで、顔面神経麻痺と耳症状との関係をより理解しやすくなります。
東京・池袋 エル治療院の顔面神経麻痺に対する鍼灸治療
エル治療院では、顔面神経の走行や表情筋の解剖学的特徴を踏まえながら、一人ひとりの症状に合わせた鍼灸治療を行っています。
顔面神経麻痺では、まぶたや口角などの動きだけではなく、耳の症状なども含めて状態を詳しく確認することが大切です。
なお、顔面神経麻痺を発症した場合には、まず耳鼻咽喉科などの医療機関を受診し、原因を確認したうえで適切な治療を受けることが重要です。
特に、耳の強い痛みや耳介の水疱・発疹などがみられる場合には、できるだけ早く医療機関を受診してください。







