
コロナワクチン接種後遺症で、体調を悪くし、仕事や学校を休まなければならなくなったとニュースで見た事がありました。最近当治療院にも、コロナワクチン後遺症で、2カ月間学校に通う事ができなくなったお客様が鍼灸治療と漢方せんじ薬で、毎日学校に通えるようになりました。お客様から同じ症状で悩んでいらっしゃる方のためにとお声を頂きました。
コロナワクチン接種後遺症に対しどの様な鍼灸治療をおこなったのか?
今回はどのように治療を行なったかについて、鍼灸師や薬剤師の方に情報を発信したいと思います。今後の治療の参考にして頂ければありがたく思います。
お客様は息苦しさや聴覚過敏、めまい、吐き気、頭がボーっとして集中力が低下している、倦怠感、足に力が入らない等の症状を訴えてご来院されました。
第1診
脈診と腹診、問診より、肝腎両虚 肺実と診て、1番鍼で右曲泉と陰谷を補い、左孔最を瀉し、巨闕から中脘にかけて硬結がみられたので、この二穴と百会、太陽穴や側頭部、解谿、梁丘、上巨虚に10分置鍼を行う。その後天柱、風池や心兪 肝兪、腎兪 大椎に3番鍼で5分置鍼を行った。
第2診
息苦しさは改善したが、めまいや聴覚過敏、吐き気、足のだるさ、倦怠感は変わらないとの事で、肝腎両虚、脾実と診て
1番鍼にて右曲泉と陰谷を補い、左漏谷付近に硬結を見つけたので、瀉法を行う。
めまいの改善の為に奇経八脈の帯脈を調整し、他のツボは前回と同じで治療を行なった。
第3診
吐き気やめまいは改善されたとの事。
聴覚過敏や倦怠感、足のだるさ、頭がボーっとして、集中力が低下する症状は変わらず。
聴覚過敏を改善する為に奇経八脈の陽維脈で調整した。経絡治療は、肝腎両虚、肺実、脾実と診て曲泉、陰谷を補い、孔最と漏谷を1番鍼で瀉した。
ツボへの刺鍼は第1診と同じ治療を行う。
第4診
聴覚過敏は完全に治癒したとの事、人混みの中でも、音が気にならないとの事。
めまいや吐き気、息苦しさもないが、胃兪のあたりの重苦しさや、倦怠感、足に力が入らない、頭がボーっとする等の症状は変わらないとの事。側頭部のむくみがひどく、足のむくみもある。
第1診のツボに加えて、三陰交や足三里
胃兪、脾兪を加えた。経絡治療は第3診と同じ。
第5診
少し体調が良いので、毎日学校に行っているが、体力的に2時間から3時間が
限界で、帰宅するとの事。側頭部や足のむくみは変わらず。奇経治療は症状の改善がみられたので、中止した。治療は第4診と同じ。
第6診から第9診まで、鍼灸治療を行なったが、めまい、聴覚過敏、息苦しさ、吐き気は改善されたが、頭がボーっとして
集中力が低下し、足に力が入りにくい、
倦怠感は変わらなかったので、肝腎両虚と診て、併設している漢方薬局にて、生薬を混合し、杞菊地黄丸料のせんじ薬を服用してもらった。
第11診
側頭部のむくみや倦怠感が改善され、学校で、体育館を5周走れたとの事。鍼灸治療は、第4診と同じ。
第13診
体調良好、足のだるさなし。毎日4時間から5時間の授業を受けられるようになったと喜んでいらっしゃる。
初診から約1ヶ月半で、症状は全て改善し、毎日学校に通学しているとの事です。
治療考察
めまいや聴覚過敏は奇経治療で、すぐに改善しましたが、むくみや、倦怠感、足のだるさ、頭がボーっとして集中力が低下する等の症状は鍼灸治療では限界がありました。しかし漢方が良く効き、本当に良かったと思います。
お客様は学校に行きたくても体調が悪く
通学出来なかった事はさぞかし、お苦しかっただろうと 思いました。
鍼灸治療と漢方の併用で症状が改善され私も嬉しく思います。
体調が良くなったので、これからは、ご自身がやりたい事を存分に楽しんで頂きたいと思います。